介護は、ある日突然始まることがあります。親が転倒して入院した、認知症の症状が進んだ、退院後に一人暮らしが難しくなった。こうした状況になってから保険を確認しようとしても、時間も気持ちの余裕もありません。

介護が始まる前に保険を見直しておくべき人には、いくつかの共通点があります。親の年齢、家族の距離、介護費用の話し合い状況、保険証券の管理状態を確認すると、早めに動くべきか判断しやすくなります。

親が高齢で通院や服薬が増えている

親が高齢になり、通院や服薬が増えている場合は、介護が近い将来の問題になる可能性があります。まだ介護認定を受けていなくても、転倒、入院、認知症、体力低下をきっかけに生活の支援が必要になることがあります。

この段階で確認したいのは、親の医療保険や介護保障です。入院や手術に備える保障はあるか、所定の介護状態になった場合の給付はあるか、保険料の支払いが続けられるかを見ておきましょう。

新しく入るより先に今の契約を確認する

年齢が上がると、新しく保険に加入する際の保険料が高くなったり、健康状態によって加入が難しくなったりすることがあります。そのため、まずは現在加入している保険の内容を確認することが大切です。

保障内容が分からないまま新しい保険を検討すると、保障が重複したり、必要な保障を見落としたりすることがあります。

兄弟姉妹が遠方に住んでいる

兄弟姉妹が遠方に住んでいる場合、親の近くにいる人へ介護負担が集中しやすくなります。通院付き添い、役所の手続き、介護サービスの調整、緊急時の対応を一人で担うことになりがちです。

このような家庭では、費用負担のルールを早めに決めておく必要があります。遠方の兄弟が現場対応できない分、費用を多めに負担する、定期的に帰省する、施設探しを担当するなど、役割を明確にしておきましょう。

保険情報も家族で共有する

保険内容を近くにいる人だけが把握していると、後から他の兄弟に不信感を持たれることがあります。保険会社名、保障内容、受取人、保険証券の保管場所は、必要な範囲で共有しておくと安心です。

介護費用の話をしていない

親の介護費用を誰が払うのか、親の年金や預貯金で足りるのか、施設に入る場合はいくらまで出せるのか。こうした話を一度もしていない家庭は、介護が始まったときに揉めやすくなります。

介護費用は毎月発生しやすく、長期化すると家計への影響も大きくなります。親の貯蓄だけで対応できるのか、家族の支援が必要なのか、民間保険で補える部分があるのかを確認しておきましょう。

施設入居も想定しておく

在宅介護を考えていても、親の状態や家族の事情によって施設入居が必要になることがあります。施設では、介護サービス費のほかに食費、居住費、日常生活費がかかる場合があります。

施設費用をどう準備するかを考えるとき、親の預貯金、年金、保険、家族の分担を合わせて確認することが大切です。

保険証券の場所を知らない

親がどの保険に入っているか分からない、保険証券がどこにあるか知らない場合も、早めの確認が必要です。介護や入院が始まってから探すと、請求手続きが遅れることがあります。

保険証券が見つからない場合は、通帳の引き落とし履歴、保険会社からの郵便物、保険料控除証明書などから手がかりを探せることがあります。一定の条件では、生命保険契約照会制度を利用できる場合もあります。

一覧にしておくと家族が動きやすい

保険会社名、証券番号、契約者、被保険者、受取人、保障内容、保険証券の保管場所を一覧にしておくと、急な入院や介護の場面でも家族が動きやすくなります。

受取人が昔のままになっている可能性がある

死亡保険金の受取人が、現在の家族状況に合っているかも確認しましょう。契約当時は配偶者を受取人にしていたが、その後亡くなっている。子どもの一人だけが受取人になっている。介護を担う人と受取人が違う。こうした状態は、相続時の感情トラブルにつながることがあります。

受取人の変更は、契約者本人の意思と保険会社の手続きが必要です。親が判断できるうちに、現在の希望と契約内容が合っているか確認しておくことが大切です。

保険相談の前に整理したいこと

保険を見直すときは、いきなり新しい保険を選ぶのではなく、現状を整理することから始めましょう。親の年齢、健康状態、年金額、預貯金、加入中の保険、介護を担える家族、想定される施設費用をまとめると、必要な備えが見えやすくなります。

保険相談や見直しサービスを利用する場合も、情報が整理されているほど具体的な相談ができます。介護が始まる前に保険を見直すことは、親のためだけでなく、介護する家族の生活を守る準備でもあります。

出典:生命保険文化センター/生命保険協会