シミュレーションツールの使い方と注意点

自分の控除上限額を正確に知るには、ふるさと納税サイトが提供するシミュレーションツールを活用しましょう。主要サイトのシミュレーションツールは無料で利用できます。

簡易シミュレーションと詳細シミュレーションの違い

シミュレーションツールには大きく分けて2種類あります。

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種類入力項目精度おすすめの人
簡易シミュレーション年収・家族構成のみやや粗い(誤差±1万円程度)まず目安を知りたい方
詳細シミュレーション源泉徴収票の全項目高い(誤差±数千円)正確な上限額を知りたい方

簡易シミュレーションは年収と家族構成を入力するだけなので、30秒もあれば結果が出ます。「だいたいの目安を知りたい」という段階ではこちらで十分です。

一方、詳細シミュレーションでは源泉徴収票に記載された各種控除額を入力します。住宅ローン控除や医療費控除、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金なども反映されるため、より正確な上限額が算出できます。実際に寄付する前には、必ず詳細シミュレーションで確認することをおすすめします。

シミュレーション利用時の3つの注意点

1. 医療費控除・住宅ローン控除がある場合は上限額が下がる

医療費控除や住宅ローン控除を受けている方は、それらの控除がない場合と比べて、ふるさと納税の控除上限額が下がります。特に住宅ローン控除の適用初年度は、確定申告が必要になるため、ワンストップ特例制度も使えません。簡易シミュレーションではこれらが反映されないことが多いので、必ず詳細シミュレーションを利用してください。

2. 今年の年収は「見込み」で計算する

ふるさと納税の控除上限額は「その年の所得」で決まりますが、年末にならないと正確な年収は確定しません。シミュレーションの際は、前年の源泉徴収票をベースにしつつ、今年の年収見込みで調整しましょう。転職や昇給・減給があった場合は特に注意が必要です。

3. 上限額ギリギリの寄付は避ける

シミュレーション結果はあくまで「目安」です。ボーナスの変動や年末調整の結果次第で、実際の上限額が変わることがあります。安全策として、シミュレーション結果の8〜9割程度に抑えておくと、上限超過のリスクを回避できます。

ふるさと納税の確定申告が必要な人・不要な人

ふるさと納税の控除を受けるには、「確定申告」か「ワンストップ特例制度」のどちらかで手続きが必要です。ワンストップ特例制度を使えば確定申告は不要ですが、すべての人が使えるわけではありません。

確定申告が必要な6つの条件

以下のいずれかに該当する方は、ワンストップ特例制度が使えないため、確定申告が必要です。

  1. 年収2,000万円を超える給与所得者:年末調整の対象外のため、もともと確定申告が必要
  2. ふるさと納税先が6自治体以上:ワンストップ特例制度は5自治体以内が条件
  3. 医療費控除を受ける:医療費控除は確定申告でしか申請できない
  4. 住宅ローン控除の初年度:初年度は確定申告が必要(2年目以降は年末調整で対応可能)
  5. 副業の所得が20万円を超える:副業分の確定申告が必要
  6. 個人事業主・フリーランス:もともと確定申告が必要

逆に言えば、上記に当てはまらない給与所得者で、寄付先が5自治体以内であれば、ワンストップ特例制度を使って確定申告なしで控除を受けられます。

ワンストップ特例制度 vs 確定申告|どっちを選ぶ?

「どちらの手続きが自分に合っているの?」と迷う方のために、両者の違いを整理します。

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比較項目ワンストップ特例制度確定申告
対象者確定申告不要の給与所得者誰でも利用可能
寄付先の数5自治体以内制限なし
手続き方法各自治体に申請書を郵送またはオンラインe-Tax・書面・税務署で申告
申請期限翌年1月10日必着翌年2月16日〜3月15日
控除の仕組み住民税から全額控除所得税+住民税から控除
必要書類申請書+本人確認書類寄附金受領証明書+申告書
手間自治体ごとに申請が必要一括で手続き可能

注目してほしいのは「控除の仕組み」の違いです。ワンストップ特例制度では所得税からの控除がなく、全額が住民税から控除されます。一方、確定申告では所得税と住民税の両方から控除されます。最終的な控除額は同じですが、所得税の還付(現金が戻ってくる)を受けたい方は確定申告を選ぶとよいでしょう。

ワンストップ特例制度の条件と申請方法

ワンストップ特例制度を利用するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 確定申告が不要な給与所得者であること
  • ふるさと納税先が5自治体以内であること
  • 寄付のたびに「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出すること

申請書は寄付先の自治体から届くか、ふるさと納税サイトからダウンロードできます。マイナンバーカードのコピーなどの本人確認書類を添えて、翌年1月10日(必着)までに各自治体に送付してください。最近ではオンライン申請に対応している自治体も増えています。

確定申告とワンストップの控除の仕組みの違い

ワンストップ特例制度を使った場合、所得税からの控除分が住民税の特例控除に上乗せされる形で処理されます。つまり、翌年6月以降の住民税が安くなるという形で控除が反映されます。

一方、確定申告をした場合は、所得税の還付金が申告後1〜2カ月で口座に振り込まれ、住民税は翌年6月分から減額されます。「手元にお金が戻ってくる」実感が欲しい方には、確定申告のほうがわかりやすいかもしれません。


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